「兵庫県立大学環境人間学部学生が提案する地域企業の SDGsへのアプローチ」を開催

様々な広がりをみせるSDGsの取り組み。地域の企業もこの世界的な課題にどのように貢献していくか模索しています。
環境人間学部SDGs推進室では、2025年1月17日、播磨地域の企業と連携し、「兵庫県立大学環境人間学部学生が提案する地域企業のSDGsへのアプローチ」を開催しました。昨年度についてはこちらをご覧ください。
姫路環境人間キャンパスの会場には、企業関係者約30名、本学部学生約70名が参加し、3つのゼミから、各企業等のSDGs達成に向けた取組みが提案されました。
本企画は、2023年度から西兵庫信用金庫、龍野商工会議所と本学社会価値創造機構との連携協定に基づく事業として実施されています。今年度は5月から、提案対象6社の工場・オフィス等の現地訪問調査、同年秋期のヒアリング調査を経て、1ゼミあたり各2社への提案を学生が中心にまとめました。
開会
はじめに、主催者を代表して、龍野商工会議所会頭の頃安雅樹氏より開会の挨拶がありました。

SDGsの動向と本企画の趣旨
続けて、環境政策が専門で、本取組の企画者である環境人間学部の増原直樹准教授より、近年のSDGsをめぐる動向についての解説と、今回が2回目となる「兵庫県立大学環境人間学部学生が提案する地域企業のSDGsへのアプローチ」の趣旨と概要について説明がありました。

国際文化系 高橋ゼミ×「兵庫県手素麺協同組合」「(株)高田商店」
国際文化系・高橋ゼミからは、兵庫県手延素麺協同組合に対して、素麺の「フシ」のアップサイクルなどが提案されました。また、同ゼミから(株)高田商店に対しては、既存の「醤油もろみ粕」のリサイクル活動を踏まえ、広報のさらなる充実、県の「ひょうご産業SDGs認証事業」へのエントリー、学生と連携したPR等が提案されました。

環境デザイン系 荘所ゼミ×「上林建設(株)」「(株)丸尾建築」
環境デザイン系・荘所ゼミからは、上林建設(株)に対し、従業員の「働きやすさ向上」をめざした既存の取組みを踏まえ、産休育休制度の拡充や建設現場の安全な環境整備(熱中症対策等)、ZEB(ネットゼロ・エネルギー・ビルディング)の推進、CO2排出量のモニタリング等が提案されました。さらに、同ゼミから(株)丸尾建築に対しては、新卒定着率向上をめざしたプログラム(地域適応やキャリア支援)、同社の特徴である高い耐震性についてのより定量的な説明の充実、環境負荷の少ない材料・工法の採用等、同ゼミの専門性に基づいた対策が提案されました。

社会デザイン系 増原ゼミ×「(株)ユーパック」「(株)フジイ」
増原ゼミからは、(株)ユーパックに対して、段ボールの資源循環が活発であること、太陽光発電の設置など既存の環境配慮の取組みを踏まえ、さらなるBtoC製品の拡販を通じた働きがい創出、各種認定マークの取得、薄型ソーラーパネルの設置、災害発生時の電気自動車の活用等が提案されました。また、同ゼミから、(株)フジイに対して、同社のオーダーメード家具の強みを活かしつつ、インスタグラム等のさらなるSNS活用、直接販売の促進、並びに本学部との提携について、具体的な提案がなされました。

6社からのコメント
対象の6社からは、各ゼミ学生からの提案について、「当初は難しいと受け取ったが、提案を聞いた後では、出来るかもしれないという可能性を感じた」「いままで外部の方から評価してもらう機会がなく、良い機会となった」「これまでの業務では取組めなかった新しい提案をいただいたので、社内全員で共有する」「地理的に遠くからも就職されるので、地元・兵庫県を好きになってもらいたい、個人のキャリア上、高みをめざす支援を社員全員で進めたい」「持続可能な社会と同時に、持続可能な企業もめざしたい」「提案を楽しみにしていた。災害時拠点の整備はBCPの観点からも有効。SNSの活用やふるさと納税の返礼品の充実についてもこれまで検討していたが、提案を参考として、さらに検討を継続したい」など、前向きなコメントを頂戴しました。

兵庫県からの取り組み紹介と各提案へのコメント
各ゼミから提案の発表後、兵庫県地域経済課(SDGs担当部署)の時田班長から、兵庫県の取組み紹介と各ゼミの提案に対する詳細なコメントを頂戴しました。また、吉村美紀学部長から、大学の立場からの本事業の意義や、本学部の特徴についてコメントを頂きました。


閉会
最後に、西兵庫信用金庫理事長 桑垣喜一氏より、本年度の取り組みに対する総括としてのコメントを頂きました。
