かんなび 学びいろいろ、環境人間学部のみちしるべ。

2023.03.17

「建築」から「自然」の道へ。幅広く学ぶ学部だからみつかった自分に合った道。(大橋瑞江ゼミ)【兵庫県立明石高等学校出身】

諦めていた理系の学問も、文理融合の環境人間学部なら学べる。

高校ではサッカー部に所属し、部員たちと楽しく過ごしました。クラスや部活で友達と一体となって活動できるのは高校生だからこそ。貴重な時間だったと思います。

高校2年生で進路を決めるとき、はっきりやりたいことが分からないままの大学選びでした。いろいろな大学のホームページを調べる中で、目に止まったのが環境人間学部。高校生の時に文系を選択し、学ぶことができないと諦めていた理系の学問が文理融合の環境人間学部なら学べると分かり魅力を感じました。

高校時代はサッカー部に所属

建築をやりたくて「環境デザイン系」を選択。実際に学んで知る「建築」の難しさ。

1回生の時は防災や建築、心理学など選択できる分野が多すぎて、正直、混乱しました。

そんな中、大橋瑞江先生の「人間学(自然)」の授業を受講しました。授業では、森に入って樹木測定をするフィールドワークが紹介されたり、外部講師の兵庫県林職職員の方の話を聞く機会がありました。僕は小さい頃から家族でキャンプに行くことがあり、また、小学1年から5年生まで「兵庫自然教室」のサークルに参加するなど「自然」に触れ合う機会が多く、森や自然が好きでした。だから、自然に関わる学問があること、自然に携わる職業を知れたことは貴重でした。

2回生では建築と自然が学べる「環境デザイン系」を選択。系を選択することで、1回生の時よりも勉強することがはっきりして良かったのですが、反面、難しさも感じました。授業を聞いて面白そうだと思っていた「建築」も、実際に図面や建築模型を作るのでは全然違いました。細かい作業も多く、工夫を加える難しさに直面。自分には向いていない、そんなに好きではなかったのかもと思うようになりました。

森林に関わる研究をしている大橋瑞江ゼミへ。

3回生からの専門ゼミは建築ではなく、以前から興味のあった自然系の中でも森林に関わる研究をされている大橋瑞江ゼミに所属することになりました。

ゼミに入ってすぐに卒業研究につながるテーマを決めるのですが、僕は先生の勧めもあって「竹林の枯死根の発生量の解明」をテーマに研究を進めました。まず、兵庫県立淡路景観園芸学校の竹林から根っこを掘り出し、試験管に根とガラスビーズ、雨水などを入れ放置。その様子をモニタリングします。1か月後、死んでしまった根(枯死根) を測り、根の枯死過程を解明し、根のターンオーバーの推定を行います。

1㎜にも満たない根をピンセットで取り、その重さを測り続ける、地道な作業がずっと続きました。嫌になることもありましたが、結果が出てくると達成感を味わうことができ、積み重ねることの大切さを知ることができました。

枯死根の回収の様子

4回生の夏休み。大橋先生の研究の手伝いでフィンランドへ。

4回生の夏休みに大橋先生の研究のお手伝いで、3週間フィンランドに行きました。松の根に装置を取り付けて、松の根から出ている滲出物を回収し、整理をする作業を行いました。

現地の人はもちろん、中国や様々な国の学生、研究職の人たちと一緒に研究を行い、それぞれの国の文化や考え方、生き方を肌で感じることができました。

フィンランドでの作業風景

 

フィンランドは自然豊かな上に街並みも美しく魅力あふれる国です。滞在中よく利用したサウナでは「どこから来たの?」「何を勉強しているの?」と尋ねられることが度々。積極的で親しみやすい人が多い印象を受けました。夏でも涼しい気候や夜でも日が沈まない白夜など、日本とは違う環境の中で得たものは数えきれません。

 

フィンランドの風景

人工林の立派さに魅了。木に携わる職業に就きたい。

大橋ゼミでいろいろな山でフィールドワークを行う中で、人工林を目にすることが多くありました。人の手が入った人工林は、木の幹も太く立派でその美しさに魅了されました。これを無駄にしてはいけない。自分も山に携わり、人工林を守りつなげていく職業に就きたいと思いました。

3回生の11月ごろから、木を伐り製材して売るまでの「林学職」の勉強を始めました。そして、希望通り「木材総合事業」を手掛ける西垣林業株式会社から内定をいただくことができました。木を売り、実際に使われるところがみたいと思っています。

就活を終え、現在は卒業研究に取り組んでいます。遠沈管を用いた培養法とスキャナ法の2つの手法で竹の根の枯死根量を定量化し、その季節変動を調べました。結果、量、季節変動ともに差があったこと。二つの方法による影響が大きいことが分かりました。

環境人間学部の幅広い選択肢のおかげで、いろんな世界を知ることができました。はじめは、建築系に興味を持ち進もうとしましたが、自分には合っていなかったと断念。その過程を経て、小さい頃から好きだった自然系の研究を進めることになりました。いろんな道がある環境人間学部だからこそできた選択だったと思います。

後輩のみなさんには、今しかできない楽しみを大切にしながら、大学で新たに体験できる貴重な経験を楽しみに頑張ってもらいたいと思います。

 

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