かんなび 学びいろいろ、環境人間学部のみちしるべ。

2023.02.12

【受賞】農村の大問題「草刈り」。草刈りグループが生まれやすい仕組みづくりで解決を目指す(エコ・ヒューマン地域連携センター 柴崎浩平 助教)

農村を維持していく上で、基礎的かつ必要不可欠な作業があります。それは「草刈り」。ところが、少子高齢化や農業の衰退に伴い、継続して実施していくことが困難になっています。では、どうしたらよいでしょうか。

草刈りロボットなどの機械化は一つの解決策ですが、本学部エコ・ヒューマン地域連携センターの柴崎浩平助教はそれとは異なるアプローチでこの問題に取り組んでいます。それは、様々なコンセプトの草刈りグループが生まれやすい仕組みづくりをおこなうというもの。その1つとして,都市住民が農村とつながるために草刈りを実施するグループが結成されているとのことです。柴崎助教は自らコーディネーターとなって、20代~60代の24名ほどで構成される「播磨畦師(はりまあぜし)」というグループの結成と運営の支援を行ってきました。中心となっているのは加古川市や明石市に住む都市住民。現在、このグループは草刈りを有償で請け負うほどに成長しているようです。

農業・農村経営学、農村計画学が専門の柴崎助教は、この事例で取り入れた手法や得られた成果、直面した課題をまとめ、2022年12月、愛媛大学にて開催された「農村計画学会2022年度秋期大会」において発表し優秀発表賞を受賞しました。タイトルは「都市住民主体の草刈りグループ結成手法と展開課題-兵庫県東播磨におけるアクションリサーチ-」。この賞は若手学会員(満 40 歳以下)の中で、着眼点がよく、独創性、萌芽性、将来性があり、わかり易い発表を行った者に授与されるものです。

柴崎助教は「播磨畦師が抱える課題は多くありますが,メンバーとともに悩み・楽しみながら、草刈り問題に寄与できうる事例をこれからも作っていきたい」と語っています。現在、播磨畦師のメンバーや新たな草刈りグループのリーダーを絶賛募集中!とのこと。

 

農村計画学会とは?
農村計画学会は,豊かで美しい農村環境と活力と魅力にあふれた農村社会の創出をめざす教育・研究者,行政実務者,技術者および地域生活者の交流・啓発の場として1982年に発足しました。社会,経済,法律,建築,土木,緑地,地理,環境科学など様々な分野を専門とする会員による学際的な交流を通じて,学術研究のみならず,調査やセミナーの開催,農村整備政策へのコミットなどの多様な活動を展開しています。

 

\ この記事をシェア /

Twitter Facebook