幅広く学べる環境人間学部だからこそ「自分」探しができた。(中嶌一憲ゼミ)【兵庫県立加古川東高等学校出身】
高校の部活「自然科学部」で得た経験が、私の進む道筋を作ってくれた。
高校では、自然科学部に所属していました。自然科学部はチームで研究テーマを決め、学会で研究活動を発表する部活です。私は「学校のプールに入ると髪の毛の色が抜けたり目に刺激があったりする原因を排除する方法」を研究して、企業などの協力も得ながら新しいシートを開発しました。研究活動を沖縄県で開催された学会で発表。初めての場所で、初めて会う人の前で、自信を持って発表した経験は今でも私の源になっています。それに、私は研究を突き詰めていくよりも、人とコミュニケーションを取ることの方が向いていると発見することができました。
自分の視野を広く持ちたい。一番自由に学べるのは環境人間学部!
高校で文理選択する時、これで一生が決まってしまう、もう後戻りできないというプレッシャーを感じました。結局、私は理系を選択したのですが、部活などを通して文系的な勉強もしてみたいと迷っていたので、大学は文理融合の学部を探しました。まだ何がしたいのか分かっていない状態で、自分の視野を狭くしたくなかったんです。
そんな中、高校2年生の時に参加した環境人間学部のオープンキャンパスで、気象学の気象データを見たり、建築の模型をみたりしました。どれも面白く、興味深い内容でした。やっていることはいろいろだけど、いずれも専門的で、選択肢の幅が広い学部だなってとても魅力を感じました。いろんなことに興味のある私が、一番自由に学べるのは環境人間学部だと思い受験を決めました。
系選択までの1年間の猶予が貴重な時間に。いろんな選択肢をみせてくれる学部
環境人間学部では2年生に上がる際に専門分野の4つの系から1つを選択します。入学してから2年生にあがるまでの時間の猶予は、私にとって貴重でした。1年生の間に様々な分野の授業を受け、いろんな選択肢を見ることができました。
「環境人間総合講義」で各系の先生がどんな研究をされているのかを聞く機会があって、社会デザイン系の「都市計画」「環境経済学」という学問に興味がわきました。「都市計画」では、今まで見てきた街並みが人によって考えられ設計されていると知り、面白いと思いました。「環境経済学」では、中嶌一憲先生が「富士山や砂浜のお金の価値」の講義をされて「え?どうやって計算するの?」って興味を持ちました。初めて知る学問に触れ、ぜひ学んでみたいと社会デザイン系に進むことにしました。
数値を用いた研究がしたくて、中嶌一憲ゼミへ。
高校の部活で、客観的数値やデータの持つ説得力や重要性を実感していたので、ゼミでも数値を用いた研究がしたいと、富士山などの非市場価値を経済価値に換算して算出するなどの研究をされている中嶌一憲先生のゼミを希望しました。
3年の時のゼミ活動では、九州大学、山形大学、創価大学、兵庫県立大学が参加するインターゼミナールでの活動を行いました。各大学が自由にテーマを決め研究し、論文にまとめて発表を行います。私たちのゼミでは「兵庫県のゴミ問題」について研究しました。兵庫県の41市町村ごとの可燃ゴミの量、不燃ゴミの量、ゴミ分別数、人口、世帯数、ゴミ袋の有料化などのデータを集め、それを分析。ゴミを減らすために何が必要かを考え、論文を作成し、発表しました。全国各地の他大学の学生との意見交換は、新鮮で刺激を受けました。
4年生になってから、私は卒業研究として「姫路市における身近にある小さな公園の経済的評価」を研究しています。姫路市には、小さな公園がたくさんあります。人口減や少子化のあおりを受け、公園の維持管理をどうしていくかなどの問題を抱えています。そこで、私は「この公園を利用するためにお金をいくら払えるか?」などのアンケートを、姫路市民を対象に実施。公園の経済的価値を算出し、公園の維持管理費用の目安や防災機能をプラスするなどの公園機能の改善策を提案したいと思っています。
いろんなことに興味が持てる「自分」を活かせる環境を探す
大学4年間で英語や韓国語、ダンスサークル、NPO活動への参加などいろんなことにチャレンジしました。就職活動においても、3年生の夏からIT関係、アパレル、飲食業、製造業など幅広く説明会に参加してきました。どの業種も面白そうで決めかねていた時、キャリアセンターに相談に行きました。キャリアコーディネーターの方に話を聞いてもらううちに、私は一つの仕事を突き詰めるのではなくて、いろんな仕事ができる公務員が向いているのではと思いました。公務員の勉強は3年生の春から始めてはいましたが、気持ちが固まってから本腰を入れて頑張りました。幸い、兵庫県庁に内定をいただくことができました。
後輩のみなさんも、自分のやりたいことができる環境を探して下さい。たくさん悩んで考える時間が「自分」を見つけるヒントになるはずです。