中桐斉之准教授らの研究成果がScientific Reports誌に掲載されました
環境人間学部の中桐斉之准教授らの研究グループが、新型コロナウイルス感染症における検査を受けていない感染者の移動が、感染拡大の重要な要因となっていることを解明し、Scientific Reports誌にその成果が掲載されました。
本学環境人間学部の中桐斉之准教授、静岡大学工学部 佐藤一憲准教授、中村学園大学短期大学部 向坂幸雄准教授、静岡大学工学部 泰中啓一名誉教授らの共同研究グループは、新型コロナウイルス感染症において、検査を受けていない感染者に焦点を当て、未検査の感染者の移動が感染拡大の重要な要因となっていることを数理モデル解析により解明しました。
本研究では、従来のSIRモデルを発展させ、感染者を隔離者と非隔離者に分けたモデルを構築し、シミュレーションと平均場理論から、検査回数や頻度を増やすと、ロックダウンと同様の効果が得られること、また検査陽性感染者の総数が減少することを明らかにしました。非隔離感染者が非感染者と同じように振る舞い、動き回ることが感染を拡大すること、検査頻度を増やすと検査済み感染者の総数が減少することを明らかにしました。また、非隔離感染者の多くは軽症または無症状であるため、無症状者にも検査を促すことが重要であることを示しました。
本研究は本学の令和2年度新型コロナウイルス関連研究事業の助成を受けて行われたものです。
本研究成果は、2022年1月14日(イギリス標準時間午前10時)付で、英国Springer Natureが発行する科学誌「Scientific Reports」のオンライン版に掲載されています。
(掲載論文)
https://www.nature.com/articles/s41598-021-04629-2
Nariyuki Nakagiri, Kazunori Sato, Yukio Sakisaka, Kei-ichi Tainaka
Serious role of non-quarantined COVID-19 patients for random walk
simulations. Sci Rep 12, 738 (2022). doi:10.1038/s41598-021-04629-2