かんなび 学びいろいろ、環境人間学部のみちしるべ。

2023.03.30

世界のことをもっと知りたい。 留学を通して生まれた「学び」のテーマ。(高橋 綾子ゼミ)【兵庫県立大学附属高等学校出身】

高校の修学旅行で海外に行ったことが始まり。海外のことをもっと学びたい。

自然に囲まれた高校だったので、より友達と密な時間を過ごせたと思います。部活はバトミントン部で、キャプテンをやりました。本気でバトミントンをやりたい人と、楽しくやりたい人とのはざまで悩んだこともありましが、部員と話し合いを重ね、練習メニューを工夫するなどして一つにまとまれたときは、キャプテンとしてのやりがいをとても感じたことを覚えています。

大学選びのきっかけとなったのは、高校の修学旅行でマレーシアとシンガポールを訪れたときの体験でした。その時に食事を手で食べるなど日本とは全く違う異文化に実際に触れ、自分の知らない世界への興味や面白さを実感。もっといろいろな国を見てみたい、知りたいと思うようになりました。

マレーシア

海外のことについて学べる学部を探す中で、ホームページで環境人間学部の国際文化系を見つけました。ここに進めば、自分が興味のある「世界」を学び、知らない文化を知れるのではと受験を決めました。

副専攻「グローバルリーダー教育プログラム」でアメリカへ留学。自分の研究テーマが見つかる。

環境人間学部では、食環境栄養課程以外の学生は2年進級時に「人間形成系」「国際文化系」「社会デザイン系」「環境デザイン系」のいずれかに所属しますが、1年生のうちはこの枠をこえて幅広く学びます。文化や建築、心理学など自分が学ぶとは思っていなかった科目に触れることもあり、視野を広げる機会となりました。自分の興味のある分野、そうでない分野を見分けることにもつながったと思います。

1年生の3月に大学の副専攻「グローバルリーダー教育プログラム」の海外フィールドワークでアメリカのシアトルへ2週間留学しました。現地の大学に通う中で、学生たちの年齢がバラバラだったり、ジェンダーレスの考え方であったり、自分が非常に狭い考えにとらわれていたことに気づく貴重な体験でした。

中でも、私が一番驚いたのは、街のいたるところで目にしたホームレスの人たちの多さです。治安も悪く、アジア人の私たちに差別的な言葉をかけてくる人もいました。今まで実際に人種差別を肌で感じたことがなかった私は、驚きと恐怖を感じ衝撃を受けました。

ホームレスの人たちのほとんどが黒人だったことから、アメリカに残る人種差別について問題意識が芽生え、2回生では国際文化系に進み、人種差別についてもっと学びたいと考えるようになりました。

高橋綾子ゼミに所属。「アメリカの人種差別」について研究。

2回生で国際文化系を選択。高橋先生の「アメリカ文化研究」や柳楽先生の「英語圏文化研究」の授業で、アメリカの文化や人種差別について学びを深めました。そして、3回生では、アメリカ文学、文化などアメリカに特化した研究をされている高橋綾子ゼミに所属することになりました。

ゼミに入ってすぐに、高橋先生から一冊の本『大学で学ぶアメリカ史』(和田光弘編著)をいただき、ゼミ生と読み進めたのですが、本に書かれている内容をまとめ、何度も発表していくと、自然に自分が何に興味をもっているのかみえてきたんです。

私は、アメリカ留学時に芽生えた問題意識「未だ消えない人種差別」をテーマに卒業研究を進めることに。アメリカの黒人に対する暴力や構造的な人種差別の撤廃を訴える運動「ブラック・ライヴズ・マター」を取り上げ、書物やネット、映画などからアメリカの人種差別の歴史、ホームレスの増加や問題について調べました。長い歴史の中で、多くの人が様々な場所で人種差別をなくすための取り組みを行ってきたにも関わらず、私が留学時に目にしたように未だ人種差別はなくならない。解決策を見いだすことが難しいテーマをどうまとめればいいのか悩んだこともありましたが、知ること、問題提起することの重要性を感じています。SDGsの考えが世界中に浸透し、弱い立場の人を取り囲む環境も変わりつつあります。少しずつでも解決の道へ進んでいくことを期待しています。

3回生の夏から始めた就職活動。自分の性格を見極めて、営業職へ。チャンスがあれば海外勤務も。

3回生の夏から、就職活動を開始。カフェやコンビニ、小学校の学童施設など多くのアルバイトの経験を通して、私は人とコミュニケーションを取りながら、物を売る仕事に向いていると思い、メーカーの営業職に絞って就職活動をしました。

コロナ禍でパソコンを使うことが増え、ふとマウスに書かれたメーカー名「エレコム」に目が留まりました。エレコムはパソコンやデジタル機器関連製品の開発、製造、販売を手掛けるメーカーです。インターンでお世話になった会社の先輩から「商品数が多く飽きがくることはない」とお聞きし、興味の尽きない私にぴったりの会社だと思いました。それに、海外にも関連会社があり、海外勤務ができるチャンスもあります。私の経験が活かせると入社を希望し、幸い、内定をいただくことができました。

2回目の留学でニュージーランドへ。世界中の人たちと交流を広げ、 様々な国の言語、季節、文化、考え方に触れる貴重な体験に。

4回生のはじめに就活を終え、行ったことのない国へもっと行きたいと思い、夏休みを利用して2か月間ニュージーランドに留学しました。

ニュージーランドで通った語学学校では、タイ、韓国、ブラジルなどいろいろな国の人たちが通っていて、世界中の人たちと交流を持つことができました。自分の国を紹介する講義で「ブラジルの母国語について」「タイのオペラ文化」「貧困の差」などそれぞれの国の言語、季節、文化、考え方など、地元の人ならではの話を聞く機会があり、日本にいたままでは知り得なかったことを学べたと思います。

その時知り合った人たちとは、今でも、SNSを通して交流を続けています。近々、韓国の友達が来日する予定で、会えたらいいなと思っています。

環境人間学部には、「学びたいこと」を見つけるチャンスがある。

私は、大学4年間で留学、部活、サークル、アルバイト、料理好きが高じて調理師免許も取得するなど、やりたいことをいっぱいやりきりました。中でも、アメリカへの留学は自分の学びの方向性を決定づける転機になったと思います。後輩のみなさんにも、大学生活という自由な時間が多くある期間に興味をもったことすべてにチャレンジしてみて下さい。その行動が、自分の学びのテーマを見つけ、将来進む道へ導く転機になるはずです。

今、自分のやりたいことが定まっていなくても大丈夫。環境人間学部は、文理融合学部ということもあって学ぶ授業の幅が広く、「学びたいこと」を見つける環境が整っています。

国際文化系卒業研究発表会で人種差別問題について研究発表

\ この記事をシェア /

Twitter Facebook