かんなび 学びいろいろ、環境人間学部のみちしるべ。

2023.07.31

【授業】姫路駅西地区のにぎわいを再び!朝市と県大生のコラボレーション!

環境人間学演習(社会デザイン系)の一環で地域イベントに出店

こんにちは、兵庫県立大学社会デザイン系2年生の小笠原侑紀です。

社会デザイン系2年生が受講する「環境人間学演習」では、4人の先生それぞれに10人程度の学生がついて、フィールドワークを行います。私たち10名は、都市計画を専門にされている太田尚孝先生の元でフィールドワーク実習を行うことになりました。その内容とは、姫路の「駅西」とよばれる地区で、毎月第3土曜日に開催されている「旧市のきさき朝市」というイベントで、学生が主体となってお店を出すというものでした。

この企画を実現するために、太田先生の紹介で、株式会社アンドの小野義直さん、はりま家守舎株式会社の田中義人さん、朝市の運営をされている蒲田商店の土田由里さんにアドバイスや協力をしていただきながら準備を進め、6月17日の朝市で、「想い出フリマ」というお店を出店するに至りました。この記事では私たちの班が店舗の企画案作成から行事当日までを、企画を進めた学生の視点から紹介したいと思います。

姫路駅西地区で始まった「旧市のきさき朝市」

みなさんは姫路の「駅西」という地区を知っていますか?JR姫路駅の西側を指すこの地域はとてもレトロな街並みで金物屋さん、駄菓子屋さん、おもちゃ屋さんなど今では珍しいお店が立ち並んでいます。昔は栄えていたそうですが、長い月日が経ち寂しい雰囲気に包まれています。

そんな状況を変えようと始まったのが旧市のきさき朝市でした。「レトロ」をコンセプトにしたこのイベントは、路上で有志のジャズバンドによる生演奏だったり、小さい子供向けに読み聞かせを行ったり、先ほど紹介した土田さんが商品の鍋を使って炊き出しが行われています。

5月に実際に私たちの学生グループで朝市を見学したのですが、地元の高齢者や子ども連れの来場者が多く、学生のような若い世代は自分たち以外、ほとんどいませんでした。出店数もまだまだ少なく、来場者からもっと若い人が盛り上げてくれたらいいのにという言葉をいただきました。このことから大学生が増えれば活気づけになり、今までになかった年齢層の来場者も見込めるのではないかと考え、私たちが主体となって新しい企画を考えることになりました。

モノを売るだけではない「想い出フリマ」

企画を考えるにあたって、私たちは5人ずつのグループに分かれ、それぞれで出し合った案をどうするか話し合いました。しかし、せっかく出したそれぞれのグループの案を実現したいという思いが強く、無理に2案を合体させようとして、うまくまとめられていないことを先生方から指摘されました。

そこで、朝市のコンセプトである「レトロ」に基づき、駅西地区の魅力を最大限に発信できるものは何かをもう一度考えた結果、一般的なフリーマーケットとは異なり、このお店がコミュニケーションの場になるような「想い出フリマ」というアイディアに行きつきました。それは、次のような仕組みです。

まず、私たちはフリマで出品する品物をそろえるため、家族や友人らから不要品をもらってきます。この際に、元の持ち主にその品物への思いをメッセージカードに書いてもらいます。そして、当日、その品物をカード付きで販売し、購入者にも同様にメッセージを残してもらうようにします。価格は購入者が100~500円の言い値で購入できるようし、その売り上げは、朝市の運営として寄付することにしました。朝市の良さと若年層を呼び込みたい意見が合わさった結果です。

企画を実現させることの大変さを知る

企画がまとまったところで、メンバー10人を企画班と広報班にわけ、作業を分担することで効率化を図ろうとしました。企画班は出店する際に姫路市から借りる必要があるイスやテーブルの種類を決め、売れそうな商品を予想し収集しました。一方、広報班はより影響力のあるメディアに宣伝してもらうためにアポイントメントを取ったり自分たちで作成したビラを配ったりするなど(そのために大学の学務課や大学生協にアポイントメントを取る必要がある)アクティブな仕事をしました。

私は広報班だったのですが、正直この期間がいちばんしんどかったです。何をするにしてもまず日程を調整して許可を取り、同時に広報の資料も作成、企画班の要望を受けて修正と、1人ではとてもできない仕事量がありました。私たちはここで常に連絡をとることの重要性、何気なく参加しているイベントは見えないところでたくさんの人の努力があることを学びました。

あっという間に迎えた当日。来場者からもらった声。

当日は企画班が店の運営を行い、広報班は道路の危機管理、朝市のイベントのお手伝いや朝市来場者のカウントを行いました。目標にしていた来店者30人を上回る人が訪れ、商品を手に取ってメンバーと話している様子を見て、朝市を通して人と人がつながる場になっていることを実感しました。

朝市を訪れた高齢の女性にインタビューをしたところ、「かつてにぎわっていた駅西を思い出して懐かしくなった」「新聞の記事を見て久しぶりに電車で訪れたが、若者がいると活気が伝わってきて良い。ぜひ続けてほしい」、との声をいただきました。私たちの今までの努力が報われた気持ちになり、多方面に取材の依頼をしておいてよかったと思えました。

私たちが得た学び

今回の取り組みで私たちは多くの学びを得ることができました。大事なのは、円滑に企画を進めるためにはメンバー同士、あるいは関係する方々と常に連絡を取りあい、余裕をもって早めに行動しておくことだと思います。そうすればもしミスが起きたとしても他のもので補うことができます。そして、企画を成功させる一番のポイントはやはり楽しんで取り組むことだと思います。メンバーが出した案を否定せず、互いにほめあっていくことで、より良い企画案を練り上げていくことができました。

 

最後になりますが、初回から私たちがより良いグループワークになるよう助けてくださった小野さんと田中さん。「想い出フリマ」の理念に共感して、出店場所の確保までしてくださった蒲田商店の土田さん。取材の申し込みを快く受けてくださった神戸新聞社様、WINK姫路様。フィールドワークが円滑に進むよう下準備をし、時には厳しい指摘をしながらも、常に私たちに的確なアドバイスをくださった太田先生。そして最後まで企画をやり遂げたメンバー、本当にありがとうございました。

 

環境人間学演習(社会デザイン系)太田班

赤井三桜、小笠原侑紀、北梨緒乃、芝田紗彩、谷口奨、永峰茉依、橋本朋佳、藤元俊太、三嶋久瑠実、安田あさひ

 

 

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