【受賞】若い女性にとって朝食をとることは心理面にもプラスの影響がある(永井成美研究室・修士1年)
「若い女性にとって朝食は『健康に良い』だけでない、『自尊心』など心理面にもよい影響を与える可能性がある」
永井成美ゼミの大学院生・Mさんはこのような知見に貢献する研究を、兵庫県立大学主催「知の交流シンポジウム2022」で発表し、最優秀ポスター賞(姫路市長賞)を受賞しました。
この研究ではまず、Web調査から若い女性が「健康的」と捉える食事の要素と、朝食に求めることを明らかにしました。そして摂食試験を行い、実際に「健康的」な朝食を摂取すると、生理的反応として「深部体温や心拍数の上昇」があり、また、心理的応答として「自尊心の高まり、活力の上昇傾向、眠気の低下、一貫して空腹感が低値で推移すること」があることを示しました。これらの結果から「健康のため朝食を」という従来の広報よりも、食べてすぐに「自尊心」や「活力」が高まるという、食後の短期的な心理的応答に着目することが、若い女性の朝食欠食という問題の解決につながる可能性があると結論づけています。そして、この新しいアプローチは、女性をターゲットとした食品・メニュー開発にも役立つとしています。
「知の交流シンポジウム2022」は、兵庫県立大学の最先端研究の成果(クリーンエネルギー、AI、環境、ライフサイエンス等)を産業界・地域社会に向けて発信し、活性化を図るもので、本年度は2022年9月27日、アクリエ姫路においてが開催され、137件のポスターが展示されました。
Mさんが受賞した「最優秀ポスター賞(姫路市長賞)」は、学外者(参加者)による投票と、学外企画委員チームの評価をもとに選考されるもので、ポスター賞の選考に関しては、研究成果はもちろん、ポスターのデザイン・レイアウトなどの見やすさや、専門外の方にもわかりやすく説明できるかどうかも重視されていました。
Mさんは受賞について以下のようにコメントしています。
「このたびは、最優秀ポスター賞を頂戴し、誠に光栄に思います。研究活動はうまくいくことばかりではなく、落ち込むこともあります。そのため、この賞の授賞が発表された時には思わずガッツポーズをしてしまいました。努力が実を結び、本当に嬉しく思います。もちろん、この表彰は、私一人の力ではなく、丁寧に、そしてきめ細かくご教授くださりました永井成美先生をはじめとする、永井研究室の皆様、実験ボランティアの方など、皆様のご協力があってこそだと思っております。今後も賞に恥じぬよう、これまで以上に一生懸命に研究活動に邁進していく所存です。この度は本当にありがとうございました。」
Mさんは現在修士1年生。今後さらに研究を進めていくとのことで、今後の発展が大変楽しみです。