かんなび 学びいろいろ、環境人間学部のみちしるべ。

2022.12.27

大学院環境人間学研究科開設20周年記念式典を開催/記念講演「気候変動と国連~SDGsがもたらす未来~」根本かおる氏

私たちの環境人間学部が誕生したのが1998年。その4年後の2002年、大学院環境人間学研究科が開設されました。今年はそれからちょうど20年にあたります。

環境人間学部・研究科がこれまで何をしてきたのか、現代においてどのような価値があるのか、そしてこれからどのような課題に向き合い、何を目指していくべきか、これらについて改めて学内外の関係者と共有するために、12月17日、環境人間学研究科開設20周年記念式典を以下の内容で開催しました。

当日は400人を超える参加者があり、国連広報センター所長の根本かおる氏の記念講演を軸に、私たち一人ひとりが何をしていくべきか、そして、環境人間学部・研究科がこれから何を目指すべきかが浮き彫りになる充実した式典となりました。

式典の動画を公開しましたので、ぜひご覧ください。

 

式典プログラム

第1部
開会の挨拶:環境人間学部長・環境人間学研究科長  内田 勇人
祝辞:兵庫県立大学学長 太田 勲
祝辞:兵庫県公立大学法人理事長 五百旗頭 真
来賓祝辞:兵庫県知事代理 新県政推進室長兼総務部長 小橋 浩一 様
来賓祝辞:姫路市長 清元 秀泰 様
研究科の歩み:環境人間学部長・環境人間学研究科長  内田 勇人

第2部
記念講演 気候変動と国連~SDGsがもたらす未来~:国際連合広報センター所長 根本 かおる 様
国連アカデミック・インパクトの紹介:環境人間学部教授 高橋 綾子
環境人間学フォーラム授賞式:環境人間学部教授・学術情報館長 加藤 陽二
環境人間学部教授・学生部長 坂本 薫
閉会の挨拶:兵庫県立大学副学長 高坂 誠

 

第1部

以下に、式典の概要について抜粋して報告します。

第1部の冒頭、内田勇人学部長兼研究科長の挨拶のあと、まず、太田勲学長から祝辞をいただきました。学長からは、環境といえば公害というイメージが強かった90年代に、環境人間学部は現在のSDGsに通じる理念を掲げて誕生し(研究科はその4年後)、それから20年、今では環境と人間という切り口でSDGsの先頭をきる学部・研究科に発展したことを嬉しく思うと同時に、これからもその路線を継承し、人間愛を大切にして教育、研究を発展させていってほしいとの言葉をいただきました。

太田 勲 兵庫県立大学長

つづいて、五百旗頭 真 理事長からは、6000万年前、恐竜は小惑星の衝突によって絶滅したが、人類はいま自らが生み出した核兵器によって、そして産業革命以来の人類の活動が引き起こしてきた環境変化によって自滅しかねない、まったなしの状況にきている、だからこそ、国連で国際的に活動されてきた根本かおる先生からSDGsのお話を聞くことは大変意義のあることであり、これを糧に環境人間学部・研究科をさらに発展させていってほしいというメッセージをいただきました。

五百旗頭 真 兵庫県公立大学法人理事長

清元 秀泰 姫路市長からは、400年間、その威風を保ち続けてきた姫路城をSDGsのシンボルとして、姫路市はSDGs未来都市、脱炭素先行地域等の指定をうけ、様々な取り組みを行っているが、そこではインフラ整備やデジタル改革などの環境整備はもちろん大事だが、その施設を使っていかに人の営みを幸せにしていけるか、いかに人間を育成していくかも重要であり、環境と人づくりの両方を扱う環境人間学部・研究科にはそういった役割を担ってほしいという期待の言葉をいただきました。

清元 秀泰 姫路市長

第2部

そして、第2部では、国連広報センター所長の根本かおる氏による記念講演「気候変動と国連~SDGsがもたらす未来~」が行われました。非常に内容が濃く、この記事では詳述できないので、ぜひ動画をご覧いただきたいと思いますが、国連広報センターの役割は何か、以前のMDGsと異なるSDGsの特徴は何か、そのSDGsが現在どのような困難に直面しているか、ウクライナ戦争に対して国連はどう動いたか、気候変動の問題に対して国連とメディアはどう連携したか、山積する世界的課題にどのようなメンタリティで向き合えばよいのか、といった多様な論点についてお話くださいました。そして、来年の2023年はSDGsの折り返し地点の年であり、エネルギーを再注入しなければならない。単にロゴを貼るだけでなく、一人ひとりが行動を変え、新しい枠組みを生み出していってもらいたいというメッセージをいただきました。大変丁寧に、分かりやすく、かつ、課題解決の最前線にいらっしゃる方ならではの高い熱量で語られ、聴衆を引き込んでいました。

根本かおる 国連広報センター所長

第2部の後半は、環境人間学部・研究科のプレゼンテーションイベントである環境人間学フォーラムのSDGs賞授賞式が開催されました。加藤陽二学術情報館長からフォーラム及びSDGs賞についての解説があり、受賞プレゼンのダイジェスト動画が上映された後、以下の3つの個人・グループに対してSDGsが授与されました。

 

■環境人間学フォーラムSDGs賞

都市計画研究室(太田ゼミ)前田菜緒(代理 環境人間学部准教授 太田尚孝)

「グリーンインフラ、雨庭の現状整理と京都市における雨庭整備位置の妥当性の検証」

 

学生団体「SOGIいろ」

「セクシャリティを語ることはタブーなのか?~ジェンダーの多様性をキャンパスに広める「SOGIウィーク」の実践~」

 

■環境人間学フォーラムSDGs賞(特別賞)

兵庫県立姫路西高校チーム「シミュヒート」

「ため池がヒートアイランド現象に及ぼす効果」

最後に、閉会の挨拶として高坂誠副学長からは、厳しい情勢が続くが、我々は悲観主義とは無縁であり、”Together, we can change the world for the better”  みんなで手を携えて一歩一歩、前に進んでいきましょう、という激励の言葉をいただきました。

高坂 誠 副学長

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