かんなび 学びいろいろ、環境人間学部のみちしるべ。

2023.04.26

株式会社デンソーテン勤務(2014年卒)/就活失敗で気づいた。 人生のカギは、自分の意志を持つこと。

社員の作業効率化のためのシステムを構築。

私が勤務する株式会社デンソーテンは、カーナビやドライブレコーダー、タクシー配車システムなどを開発・製造するカーエレクトロニクスメーカーです。情報システム部に在籍しています。情報システム部は、社員が業務で使うシステムを作る部署で、例えば、社内に保管される膨大な図面の閲覧やアフターサービスの履歴検索など業務を効率的にするシステムを構築しています。

具体的に設計していく前に、現状の仕事の流れや困りごとの詳細などを社員から直接聞いていますが、ときには後からリクエストが増えていくこともあります。ですから、予算と要望を整理し「どこまでを実現させるか」を明確にした上で実装まで進めています。

使う人のリアクションが直接得られる喜び。

私たちが手がけるものは、一般に販売されるものではありませんが、使っている社員さんから直接褒められたり、リクエストが聞けたりするのがいいですね。運用後に誤作動が生じないよう、実装前には何度もテストを行います。1カ所修正が完了したことで、他のところで新たにバグが出ていないか……といったところまで地道に確実に、一つひとつ漏れなく修正していく作業を経て、「前より便利になった」「業務工数を削減できて、効率的になった」「よりいい仕事ができるようになった」と聞くときは、やっぱりやりがいを感じます。

理系の仕事に生きている、大学時代の学び。

在学中は井関ゼミ(社会デザイン系)に在籍し、卒業論文は『NPOの身の丈経営とNPOバンクの役割』をテーマに作成しました。『NPOバンク』とは、市民から貸し出される出資金をもとに活動する団体のことで、経営に課題を抱えるNPO法人が多かった当時、小さい規模のNPO法人ほど補助金制度を利用せずに自力で経営を続けていました。私は、名古屋を拠点とするNPOバンクを実際に取材し、論文を執筆。研究内容をポスターにまとめ、日本計画行政学会関東支部が開催する『若手研究交流会』で発表したところ、優秀賞の7名にも選出されました。

井関ゼミでよく言われていたのが「構造化する」という言葉でした。構造化とは、物事や起きている出来事の全体を見渡し、構成要素を整理したり、それぞれの要素の関連性を整理したりすること。プロジェクト全体を細かい作業に分割するWBS(ワーク・ブレイクダウン・ストラクチャー/作業分解図)を作成するのも一つの手段で、学会発表でも図をおこして解説しました。

今の仕事においても、構造化という考え方は非常に役立っていて、チームスタッフの役割や工程を整理するときには欠かせません。この「構造化」というスキルは、理系や文系関係なく、どんな仕事においても必要なスキルだと思います。

日本計画行政学会でのポスター発表の様子

激務が続いた、前職での4年間。

今の会社に入社したのは、卒業から4年経った2018年のこと。それまで、ソフトウェア開発会社で働いていました。大学在学中は金融業界を志望していましたが、就職活動がうまくいかず、興味のままに受けてみたのが、その会社です。

働き始めて気がついたのですが、その会社は、長時間勤務、深夜残業は当たり前という企業体質が根強く残っていました。深夜残業の日が続き、自分のスマホのgoogle mapも、勤務先を「自宅」と認識していたほど。退職者も多く、会社の将来や自分の将来を考えた時、その会社で定年まで働いている自分を想像することが全くできませんでした。

自分の周りを見渡せば、友人のSNSのアイコンが結婚式や自分の子どもになるなど、家庭を築き始めています。長時間勤務が続くうちに、冷静な思考ができず、友人との付き合いも失い、私の人生は止まっていると思った時、転職エージェントに駆け込み、現在の勤務先へ転職できました。

自分の意志がなかった大学時代。

どうして私はそのように苦しむことになったのか。大学の4年間、前職での4年間、そして、現在の勤務先での4年間を振り返ると、その一つの要因にかつての自分の意志の問題があった気がしています。

正直に言うと、大学時代、私はやりたいことに取り組んでいたかというと必ずしもそうではありませんでした。卒業論文のテーマ決定も、学会への参加も、今思えばどれも「やってみないか?」と誘われたからやってみたものでした。受動的な学生だったかもしれません。与えられた課題をこなすのは得意なのでそれなりに頑張りましたが、その前段階の「自分はこうしたい! これがしたい!」という自分なりの意志をもっとしっかり持てていたら、学生時代をもっと楽しめたはずですし、就職活動もうまくいっていたように思います。

私の場合、転職へ動いたときが、真の意味で自分の意志から動いた初めての行動でした。当時の自分の状況を分析し、退職の意志を固め、それを上司に伝え、転職エージェントのサポートを受けながらいまの職場にたどり着くまで、自分を動かしていたのはまさに自分の強い意志でした。意志を取り戻すことで、人生の岐路を乗り越えられたと思います。

学生のうちに、自己開発と自己分析を深める時間を持って。

学生のみなさんには、自分のやりたいことをどんどん見つけてやってほしいと思います。そのために大事にしてほしいのは、「自己開発」と「自己分析」に取り組む時間を持つことです。自己開発は、新しい経験を重ねて、自分にできることや知っていることを増やす。勉強でも、デートの段取りでもどんな経験でもいいんです。

そして自己分析は、過去の振り返りを行い、自分を知ること。その際は、自分の経験した具体的なエピソードを書き出すと、そこから学んだことやできるようになったことが理解でき、たとえ就職・転職活動のような人生の岐路であっても自分をアピールできるようになります。

若い頃は、誰が言っているのかわからない情報も鵜呑みにしがちですが、自分にとって必要なことは自分で見つけるしかありません。これまでの経験やそこで培った考え方、得意不得意など、自分を素直に認識することが、仕事をしていく上で大きな強みになります。100%の力で自分のことを助けられるのは、自分だけです。

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