【学生企画】人生の夏休み、知らない世界に飛び込んでみた! ~RREPで変わった私の人生~
はじめに
はじめまして(^▽^)/
地域課題解決に関心がある環境人間学部3年生です🌷
突然ですが、皆さんは「副専攻」というものをご存知でしょうか?!多くの大学では、所属学部の主専攻以外の分野も学ぶことができる機会が設けられています。それが「副専攻」です。なんて素晴らしいシステム…!
で、実はその副専攻システム、兵庫県立大学にもあるんです!私はそのうちの1つ、「地域創生リーダー教育プログラム(Regional Revitalization Education Program(以下RREP))」を履修しました。RREPはまちづくりや地域活性化について学ぶことができるのですが、私は入学当初から地域関連のことを学びたかったので、副専攻としてこのRREPを受けました(⌒∇⌒)
RREPは主に学部1年~2年にかけて地域プロジェクトを学ぶのですが、3年生となった現在も私は引き続きRREPに所属し、Teaching Assistant(以下TA)としてRREPの先生方とともに後輩受講生のサポートをさせていただいています。
そんな私ですが、一旦RREPを受講し終わって振り返っていた時にあることに気がつきました。それは、「RREPって本気で自分と向き合う期間やった」ということです。思い返してみると、RREPを経て自分の考え方や行動の仕方も受講前と比べて変化していました。そこで、この記事では、副専攻RREPの何が私の人生を変えたのかについてレポートします(^^)
様々な大学が取り入れている副専攻制度!県大は?RREPとは?
1) 他大学の副専攻には何がある?
本題に入る前に、まず副専攻についておさらいします。先ほども述べたように、副専攻とは所属学部の学習分野とはまた別の学びの機会として設けられている制度のことを指します。複合・総合大学の強みが最大限に活かされているシステムなので、実は意外と多くの大学で取り入れられているんです!例えば、岡山大学には日本語教育をできる人材を育成することを目的とした「日本語教育コース」の副専攻が設置されているそうです!調べていると、副専攻にも各大学の特色がかなり出ているな~と感じました。あ、ちなみにどの大学も副専攻の履修は強制ではありません(^^)
2)県大は?
それでは兵庫県立大学が実施する副専攻プログラムには何があるのかというと…「グローバルリーダー教育プログラム(Global Leader Education Program(GLEP))」「防災リーダー教育プログラム」そして「地域創生リーダー教育プログラム(RREP)」の3つがあります!
3)私が受講したRREPとは?
地域課題解決について学ぶRREPには兵庫県やまちづくりに関心がある学生が集まり、地域の中での実践的な学びを通してリーダーシップやマネジメントに必要な能力を身に付けていきます。
なんといっても兵庫県立大学の全ての学部から学生が集まるので違う学部の友達がめっちゃ増えます!ちなみに私の代のRREP生は全員で30人以上いました。
RREPについてもっと詳しく!2年後期のプロジェクト実行までの道のり
RREP全体のカリキュラムは図1の通りです。大学院まで行くと最終的に「コミュニティ・プランナー」という称号を取得できますが、ほとんどのRREP受講生は学部1年~2年のプログラムのみを受講し、「ひょうご学志」の称号を取得しています。
私自身、学部2年までのプログラムのみ受講したのですが、このプログラムだけでも十分「副専攻」としての学びは得られると感じています。もちろん、一部の先輩や友人は学部3年以降もRREPを受講していますよ!
図1:RREP全体のカリキュラム
2)具体的な進め方(学部1年~2年)
<学部1年>
前期:各自、関連科目を受講して地域に関する基礎知識を学びます。実は、本格的にRREP受講生となるのは1年後期の履修登録からなんです!なので、1年前期は関連講義を通して受講するかどうかを考える期間となります。
後期:この時期から本格的に講義が始まります。全学部の学生が集まって行う「フィールドワーク基礎技術論」「フィールドワーク基礎技術演習」の開始です。フィールドワークや合宿を通して、地域プロジェクトの基礎を学びます。
<学部2年>
前期:「地域プロジェクト実践論」にて、地域課題やプロジェクト実践方法、チーム活動の基本について学びます。そして、6月頃にある合宿でこれから実際に行うプロジェクトのメンバーが決定します(希望テーマのグループに割り振られます)
後期:はい、ここが正念場の「地域プロジェクト演習」です。ここからは学生が主体となってプロジェクトを進めます。夏休み中にプロジェクト内容を詰めなければいけないのですが、私たちの班は作業スピードが遅くて痛い目に遭いました。(笑)
図2:学部1年~2年の詳細プログラム
先生方からフィードバックを頂き(写真2)、案を崩し、考え、修正し、提出し、崩し…の繰り返しを終えて、やっと準備・実行に辿り着くことができます。地域の方々と教員の前でプロジェクト結果を発表する「最終発表会」でRREPのラストが締めくくられます!RREPでの学びは大体こんな感じです
写真2:ミーティングで先生から沢山ご指摘を受けて撃沈する様子
姫路の地域イベントで「文化継承」と「多世代交流」を狙うプロジェクトをしたい!
1)プロジェクト「次の世代に伝える記憶~食×遊びでタイムスリップ~」
私が最も大変だったと感じるのが、学部2年でのプロジェクトの実施です。私たちの班は、「文化継承」と「多世代交流」を目的とした企画を計画・実行しました。姫路市城の西地区のご年配の方や自治会の方、議員さんにインタビューをした際に、「高齢化が原因でイベントや地域の文化を継承できない」「昔を懐かしむ時間が多くなってきた」「色んな世代が一緒に何かする機会が少ない」というご意見を頂きました。
また、城の西地区のお子さんからご高齢の方まで500人以上が参加する地域の大イベントがあるのですが、せっかく多くの人が集まるのにも関わらず、世代間交流が深く行われていないということも分かりました。そこで私たちは、この既存イベントの時間を有効活用して、姫路にゆかりのある羽子板を使ったオリジナルダーツを含む昔遊びブースの作成と、駄菓子屋でよく食べられていたという「にくてんやき」の屋台を出店することに決めました!
写真3:当日の様子
2)悩んで、悩んで、悩みまくった時期
ここまでRREPについてご紹介してきましたが、正直RREPはとてつもなく大変でした(笑)間違いなくこの2年間の大学生活の中で1番悩んだ時期でした。何が大変だったのか??それは、「チームビルディング」です。…え?地域課題見つけるのが難しかったとか、企画計画が難航したとかそういうのじゃないの?いや、もちろんそれも超絶難しかったです。基礎知識を学んだとはいえども、初めてのことだらけでプロジェクト方針を模索する日々ばかりでした。ですが、それをも超えてしまう難しさが「チームビルディング」にあったのです。
3)「チームビルディング」とは
チームビルディングとは、メンバー1人ひとりの能力を最大限に活かして、目標を達成できるチームを作りあげるための取り組みのことを指します。つまり、チームで仲良くなり挑戦する力を育むことです。長期間にわたって他学部の人たちとプロジェクトを行うことは滅多にないので、この力を身に付けることができるのはRREPの大きな強みだと私は思います。
4)何が大変だったのか
では、具体的に何に悩んだのかというと「誰かが声をかけないとLINEが動かない現象」です。先ほど、学部2年の後期のプロジェクトは他学部の人達と計画・実行するとお話ししましたが、これがまあ簡単ではないんです!!!!私の班は看護学部1人、国際商経学部2人、工学部1人、環境人間学部1人の計5人のグループでした。皆住んでいるところが神戸や明石、姫路と違う場所なので私たちは全てオンラインで進めていく必要がありました。しかも約半年間!もちろん対面の講義は数回ありますが、ほとんどがLINE上のやり取りでした。
もちろん各自、所属学部の主専攻の勉強があり、それと並列して企画を進めなければなりません。加えて他の団体に属していたり、アルバイトがあったりするので、時間を割いてミーティングをしたり企画書を作成する必要がありました。したがって、企画が行き詰まってきた際には皆RREPについて触れたくなくなり、やらないといけないと分かっていながらもつい後回しにしてしまう日々が続きました。チーム全体のモチベーションが完全に下がってしまっていたのです(-_-;)
写真4:プロジェクトメンバー
壁を乗り越えて気付いた私の強み!
1) 乗り越えなければならない大きな壁
私はこの状況がかなり危機的だと感じていました。「じゃああなたが率先してやればいいじゃない!」と言われてしまうかもしれませんが、当時の私にとってそれは簡単なことではありませんでした。
最初はこの状況を変えるために積極的に発言したり、提案したり、「これやっといたよ!」と自ら仕事を進めているつもりでした。しかし、既読無視が多くなったり、メンバー間の負担の大きさが明らかに異なってきてしんどくなってしまいました。加えて、私自身苦手な作業が多くて焦っている時に、違うチームで活躍するかっこいい仲間たちを見てさらに落ち込んでしまっていました。(泣)
最後には大学の親友に泣きながら電話をして駆けつけてもらう始末に(-_-;)
「なんかこの子意見全然言ってないけど、大丈夫かな…?」
「私はまだこの課題について話し合うべきやと思うけど、話逸れちゃった。話さなくていいんかな…」
「私も1人で進めたくはないし…でも皆も忙しいから何て声かけよう??」
「どうしよう。どうしたらいいんだろう。何を変えたらいいんやろう…」
ただただ悩み、落ち込む毎日でした。
2)原因は一体何なのか
悩み、自分の行動を振り返り内省していた時、ふと気がついたのが「相手にも自分にも思い遣りが足りていなかったのかもしれない」ということでした。今まで私は、積極的に意見を出したり仕事を先に始めたりしていましたが、全て焦って出した自分の考えだけで行っていたと気がついたのです。相手には見えない事情や背景があり、私にも皆から見えていない事情がある。それならば、相手にも自分にも思い遣りを持ってコミュニケーションを取るべきだ。ただでさえ対面で会う機会が少なく、文字だけでコミュニケーションを取る私たちはさらに工夫する必要があると考えたのです。
3)1つずつ自分にできることをする
そして、私は少しずつ行動を変えていきました。「忙しいやろからとりあえず確認してもらったらスタンプだけお願い(^▽^)/」と言い方や方法を変えてみたり、個々の得意な分野を踏まえた上で役割分担できるように工夫したり、進めてくれた作業や送られたメッセージに必ずコメントをしたり…。自分が出来ると思ったことは全て変えました。
すると、徐々にチームの雰囲気も変化していったんです!!!勿論、私だけが変わっただけでなく班員の意識も徐々に変化していったこともありますが、前よりもポジティブな言葉が増え、より効率よく作業が進むようになりました…(´;ω;`)。何より、メンバーから「いつも引っ張ってくれてありがとう」「役割振ってくれたりフォローしてくれたお陰でめちゃくちゃ進んだよ」と言われた時は、本当に嬉しかったです。
私はこの一連の出来事を通して、皆の得意を見つけたり、風通しの良いチームにするための雰囲気作りをしたり、メンバー1人1人のコミュニケーションを繋ぐことが得意で、かつ心から楽しいということに気がつきました。そして、この変化を経て、自分の苦手を自分の得意でカバーし、それが他の人の役に立つ場合があるということも知り(写真5)、人と比較して落ち込むことも少なくなりました。実は、このRREPで私は「チーム作りのスキル」を手に入れていたんです!!!!!!!!
写真5:当時のメモ
TAの視点から見えた新しい景色。強みも確信へと変わる。
1) RREPのプロジェクトを終えて
ここまで、RREPのプロジェクトでの出来事をお話ししてきましたが、今までの学びや気づきが確信へと変わる出来事がありました。それが、現在行っているTAの仕事です。RREPでは、2年後期のプロジェクトを終えた学生の中から複数名TAとして雇用するシステムがあり、私は今年からTAとして働かせていただいています。具体的には、RREPの講義や合宿に同行し、教員の雑務や後輩のサポートを行います。
写真6:合宿で昼食の準備
2)TAになって見えた景色と自分
TAとして雇用していただきプレッシャーもありましたが、私にできることで一生懸命サポートしようと心に決めて現在働いています…!!TAになると、現役の時とはまた違った景色が広がっていました。客観的に全体を見る機会が多いので、TAは講義や合宿の雰囲気を作りあげるお手伝いをすることも仕事となります。ついこの前、2年生の合宿同行があったのですが、やはりグループワークで行き詰ったり、疲れている学生が目立っていました。「どうやったらこの空間が心地よくなるだろうか」「どうやったら皆の切り替えがしやすくなるだろう」と考え、音楽の力を借りてみたり、フランクな感じでグループに入って話を聞いてみたり、なるべくTAの私は笑顔でいることを心掛けたり…と、現役の時の経験や感情を踏まえて自主的に動くことを心掛けました。
すると、教員の方やTAの仲間から「ありがとう、凄く助かったよ。これからも持ち前のコミュニケーション力で手伝って!」「人と人を繋ぐの上手だね」と言っていただきました。そしてこの時、「あ、これって自分がプロジェクト班でしていたことと似てる。やっぱり私はチーム作りや心地よい場の雰囲気作りが得意だ!」と確信したんです。私は、このRREP人生を通して自分だけの強みを見つけました。
写真7:合宿中の後輩のサポート
RREPの何が私の人生を変えたのか、そして「人生の夏休み」とは
長くなってしまいましたが…私はRREPでのチームビルディングを通して、自分の得意を発見することができました。そして、自分にほんの少し自信を付けてあげることができました。
私はこの「RREP」という全く知らない世界に飛び込んで本当に良かった!最初はただ地域活性化について学べたらいいな~という気持ちだけだったけれど、RREPで得たものはそれだけじゃなかった!皆で1つのことをする楽しさと難しさを実感し、相手と自分に思い遣りを持つことを知り、最後に自分の武器を手に入れた。
「人生の夏休み」といわれる大学生活。
人生の夏休みは色んなことを経験したもんがち。大学生だからこそできること、挑戦できることは沢山ある。そして、得られるものもたっくさんある!
あと約1年半の夏休み、まだまだ私は挑戦し続けます!!