喜友名 菜織(KIYUNA,Naori)
専門分野・研究テーマ
民法は、私たちの日常生活に密接に関わる重要な法律の一つであり、家族関係を規律するルールについても定めています。私は、家族法とよばれるこの法領域を専門とし、なかでも養子制度に関する研究を行ってきました。養子制度は、親子関係を擬制する制度であり、血縁によらない多様な家族の営みを支えています。親や家庭に恵まれない児童のために適切な養育環境を提供するという役割も与えられています。しかし、こうした子の福祉のための制度としてはいまだ十分に普及していないという実態があり、諸外国の家族法制を参照しながら、日本の未成年養子制度における理論上・運用上の諸課題や調和的解決の方向性について探究しています。
学生・高校生へのメッセージ
難解な条文や厳格な手続きから、法律や司法にはどうしても堅苦しいイメージがつきまといます。そのルールがなぜ制定されたのか、人権保障の砦となっているのか、紛争解決の公平性・公正性等を問うてみると、皆さんと社会との接点や社会の仕組みが見えてくるかもしれません。皆さんにとって身近なテーマを素材に、そこにどのような社会的課題があり、どのような支援や法整備が必要とされているのかを、共に検討していきたいと思っています。