
藤原 敬介(HUZIWARA, Keisuke)
専門分野・研究テーマ
言語学を専門としています。バングラデシュ、ビルマ、インドの国境地帯ではなされるチベット・ビルマ系少数民族の言語を特に勉強しています。民話をあつめ、文法をまとめ、辞書をつくることが目標です。村々をまわり、方言を比較し、歴史的にはどのような姿であったかを再構成することにも挑戦しています。一方、学部生のころから国際共通語をめざしてつくられたエスペラント語にも興味をもっています。国際語といえば英語とおもう人がおおいかもしれません。しかし、英語は世界に数ある言語のひとつにすぎません。世の中には国の数をはるかにこえるさまざまな言語があり、そのような言語とともにくらす人々がいます。異なる言語をもつ人々がまじわるときに生じるコミュニケーションをめぐる問題にも、関心をいだいています。
バングラデシュ: イスラム教徒最大の祭「イステマ」のダカ市内

ビルマ: マンダレー郊外・ウーベイン橋
ビルマ: ザガイン管区バマウッ地方・カドゥー人の聖地・ザロンタウン山
ビルマ: カチン州インドージー湖近辺でみかけた象
インド: インパール日本人墓地
ポーランド: ワルシャワ・ユダヤ人墓地内にあるエスペラントの創始者ザメンホフの墓
学生・高校生へのメッセージ
ことばほど身近なものでありながら、謎がおおいものはありません。「あいうえお」はなぜそのような順番でならんでいるのか。「あっちこっち」とはいうのに「こっちあっち」とはいわないのはなぜか。「机の上に本がある」というのに、「机の上に猫がある」とはいわず、「机の上に猫がいる」というのはなぜか。「理論」と「論理」はおなじ漢字のくみあわせだけれど、どのような意味のちがいがあるのか。このように、複雑にいりくんだことばにするどいメスをいれ、さまざまな謎や疑問を徹底的に究明するのが、言語学です。言語学には、探偵が謎をときあかしていくようなおもしろさがあります。私たちが無意識のうちにつかっていることばのなかに規則性をさがしていくことは、はじめの一歩です。ここまでよんできたあなたは、すでにその一歩をふみだしています。